パソコン故障はいつ起こるか分からない!備えに役立つオンラインサービス

ライターにとって、最重要アイテムの1つとも言えるパソコン。原稿作成にはWordやExcel、テキストなどを使用し、納品はメールやCMS入稿というケースは多いはずです。

 

毎日普通に使っていると、まるでパソコンが永久に使えるもののような気がしているかもしれません。しかしパソコンは消耗品。使用する頻度・内容によって若干違いはあるものの、時間と共に劣化してしまいます。

 

では、もしパソコンが破損してしまったら??

 

 

そうなる前に、万が一への備えを万全に整えておきましょう。

 


■突然の故障で仕事ができない…クライアントはどう考える?

パソコンは、いつ壊れるのか誰にも分かりません。まったく兆候さえないのに、突然パソコンが動かなくなった・・・なんていう話も。では、もしパソコンが故障した場合、どのような事態が起きるでしょうか?故障内容や修理期間、業務進捗などによって異なりますが、大きく分けて次のようなことが想定されます。

  • 重要データが失われる(ex.参照資料、音源データ、下書き原稿 等)
  • 受けていた仕事が完遂できなくなる
  • 仕事は再開できるが納期に間に合わなくなる

データについては最悪の場合、もう一度提供を頼むことができるでしょう。例えば経理書類や提案資料などならば、時間はかかっても作りなおせば済む話です。ここで一番考えておかなくてはならないのが、『仕事ができなくなる』こと。仕事には納期が決まっており、依頼する側は、それまでに納品物が提供されると見込んでいます。このことは、誰しも当然ながら認識していることでしょう。すると多くの方は、依頼元に対して次のような打診を行うはずです。

 

「パソコンの修理に時間がかかるので、スケジュールを再調整(=納期を延ばす)してほしい」

「いつ修理が完了するか分からないので、仕事をキャンセルさせてほしい」

 

長く取引のある相手ならば、融通を利かせてくれると軽く考えてしまうかもしれません。特にライティング業務では、制作物の掲載や発刊がさまざまな理由で送れることも多いでしょう。そのため、納期については軽視しがちなライターもいるようです。しかし、そうした甘い考えは改めた方が良いでしょう。

どんな事情だとしても、すべては自己責任。そもそもパソコンは消耗品なのですから、事前に備えておくことは当然です。納期とはつまり約束であり、これを守ることはビジネスとして最低限といえるでしょう。少なくとも、企業はそう考えています。すると、先に挙げたような打診を受けた場合、どのように感じるか。

 

「この人は、納期の順守について軽く考えている」

「自分の業務環境もしっかり管理できないのか」

「約束を守ろうという意志が感じられない」

 

もちろん企業側もまた、常に万が一に備えています。打診があれば、場合によってはすんなり受け入れてくれるかもしれません。しかし実際には、あなたに対する評価は落ちてしまうでしょう。結果的に、以後仕事が受けられなくなる可能性さえ考えられるのです。あまりケースとして多いことではありませんが、もし納期遅滞あるいはキャンセルによって依頼側に不利益が発生した場合、損害賠償を求められてもおかしくありません。

 

本当にどうしようもない事態ならば、企業もそのように考えることはないでしょう。しかしパソコンの故障は想定できる事態であり、現在、それを回避もしくは即時対応できる手段がいくつも存在しています。

 

■万が一にも安心のオンラインサービス活用

パソコンの故障対策としておすすめなのが、オンラインサービスの活用です。サービスそのものは世の中に溢れていますが、ここでは3つについて取り上げておきます。

 

1)Dropbox

Dropboxは、クラウド上にデータを保管することのできるオンラインストレージサービスです。初期設定を行えば、これまで通りにWordなどを使って仕事をするだけ。パソコン上で作成・保管したデータを、すぐにオンライン上にも同期してくれます。

そしてオンライン上に保管されたデータは、他デバイスからもアクセス可能。新しいパソコンを購入すれば、アカウント情報を使用してすぐにデータを取り出せます。たとえパソコンが故障しても、即座に以前と同じ環境で仕事をリスタートできるでしょう。もちろん、作業中の原稿などもそのまま残っています。

 

また、Dropboxはスマートフォンやタブレット端末からもアクセス可能。ちょっと記事を修正したり、あるいはメールでDropbox内のデータを送信したりする程度ならば、これでも十分に対応できるでしょう。タブレット端末ならば、外付けキーボードを使用することで記事作成そのものもある程度は行えます。

ただし、メールでのデータ送信は添付ファイルではなく、保存先のURLをメール文中に記載する形式です。あらかじめ、送信相手には事情を説明しておくと良いでしょう。また、セキュリティ面は自己責任になりますので、できれば有料版での利用をおすすめします。その他、GoogleドライブOneDriveなども同様のサービスです。

 

2)Gmail

Gmailは、オンラインメールサービスの代表格です。メールの送受信などはインターネットブラウザ上で行い、メールデータはオンラインに蓄積されていきます。スマートフォンやタブレットでの操作も容易。そのためパソコンが故障しても、他デバイスからこれまで通りメールのやり取りが行えます。

 

中には、独自ドメインやプロバイダメールを使用している方もいることでしょう。そうした際にも、簡単な設定でGmail上での送受信が可能になります。パソコン上のメーラーソフトを使用してしまうと、故障によって過去のメールが失われたり、他デバイスからアクセスできなかったりという事態が起こります。実際にはそれらも回避策がありますが、オンラインで管理すれば、そうしたリスクは回避できるでしょう。ただしDropboxと同様、セキュリティ面にはくれぐれも配慮することが大切です。

 

3)Office365

多くの人々に愛用されているMicrosoft Office。たとえパソコンがMacでも、記事作成などには欠かせないソフトです。Office365は、そのクラウド版となっています。つまりインターネットブラウザ上で、WordやExcelといったソフトの使用が可能です。

作成したデータは、MicrosoftのオンラインストレージであるOneDriveに保存。専用アプリを使えば、スマートフォンやタブレット端末でもアクセス・操作できます。

 

ただしOffice365で使用したデータは、受け取る側の環境などによってフォントやレイアウトがおかしくなる場合があるでしょう。今後の互換性向上に期待がかかりますが、現状では緊急時用のツールとして考えておいた方が良さそうです。

■仕事におけるトラブルは自己責任!

パソコン修理に時間がかかるならば、新しいパソコンを用意することも考える必要が出てくるでしょう。購入費はコストになりますが、依頼元との関係を考えればやむを得ない出費です。最近は安価なパソコンが増えていますので、緊急用にそうしたパソコンを1台持っておくのも良いかもしれません。

また、パソコンを修理したとしても、あくまで一度は壊れたパソコンです。今回原因となった部分が改善されても、またすぐに他の部分で故障が起きる可能性があります。そういう意味合いから、故障時には修理だけでなく、買い替えも検討すると良いでしょう。ライターにとって大切なアイテムだからこそ、安心して使えるものを持っておきたいものです。

 

金銭を伴う“仕事”ですから、そこには責任が伴います。そしてフリーランスの場合、その責任はすべて自分自身にあるのです。万が一の事態が起きた場合に対応するのも、あらかじめ備えておくのも自己責任。1人のビジネスパーソンとして、またプロとしての対応が求められます。

 

今回はパソコンの故障に関するものですが、それ以外にもさまざまなトラブルがビジネスでは起こります。日々の仕事に追われるだけでなく、将来的なリスクを想定した事前対応を心がけてください。それが結果的に、毎日不安のないスムーズな仕事へと繋がっていくはずです。