原稿の修正依頼で覚えておきたいポイント①


フリーライターに発注を行う場合、よく発注後に起きる問題があります。それは、記事の修正についてです。今回は、この記事修正について少しお伝えしたいと思います。

 

■感性やクリエイティビティの違い

 

まず前提としておきたいのは、ライティングがクリエイティブな仕事であるという点です。そしてライターにはそれぞれ個性があり、例え同じテーマについて文章を書かせても、挙がってくる原稿はすべて異なります。それは、ライター個人の感性やクリエイティビティによるものです。

 

では、ライターが作成する原稿は完璧なのか?

 

という点ですが、これは正解でもあり不正解でもあります。ここに、ライティングの発注において“修正依頼”が問題になる原因があります。

 

実際にライターへ発注し、原稿が挙がってきたとしましょう。それを見て、おそらくこう思う人が多いはずです。

 

「もう少し修正してほしい」

 

どんなに素晴らしいキャリアを持つライターが書いた原稿でも、これは同様です。なぜなら、読み手である依頼側もまた、自身の感性に従ってその原稿を読んでいるから。もう1つ加えるならば、“文章を書く”という行為そのものは、誰にでも出来ることもまた要因の1つです。つまり自身の感性から原稿に疑問を持つと、

 

「自分ならこう書く」

「もっとこう書けるはず」

 

という考えが頭に浮かんでくるのです。

特に思い入れの大きいプロジェクトで使用するようなシーンでは、なおさらこうした思いが生まれます。人は他者よりも、自分の考え・思いを信じたいものなのかもしれません。

 

実際に当社でも、書いた原稿について修正を求められることがあります。しかしその中には、修正しながら「本当にこれで良いの?」と感じることも少なくないのです。なぜなら私と相手との感性が異なることに加え、相手はライティングのプロではないから。たとえWebマーケティングなどの視点から述べている意見でも、文章として見たときにそれが良いとは限りません。

 

■どこまで修正に応じるか

 

少し話が脱線してしまいましたが、つまりライティングの発注においては、その多くにおいて作成原稿への修正が必要とされています。これは、恐らくデザインなどでも同様のことが言えるでしょう。

すると、依頼側はこう考えます。

 

「どこまで修正してもらって良いのか?」

 

これは、ライター側にとっても答えに困る質問ではないでしょうか。

当社では基本的に、次のようにお答えしています。

 

  • 事前の仕様に基づき、それにそっていない部分があれば対応する
  • 誤字脱字や敬語表現をはじめ、文章として成り立たない部分には対応する
  • 修正についてはイメージではなく、具体的な指摘が欲しい

 

見て頂くとお分かりの通り、感性やクリエイティビティによる部分への修正は、上記には含まれていません。なぜなら、そこに都度対応してしまうと、終わりのない修正ループに陥ってしまう可能性があるからです。

もちろんそのために、納品物に対しては自分の中での100%と言える文章を書く必要があります。これは、ライティングする側が常に心がけるべき基本といえるでしょう。

 

■お互いに寄り添って対応する

 

とはいえ、何も依頼元を困らせようというのではありません。場合によっては、上記に含まれない表現的な部分、あるいは構成的な部分についても修正させて頂くことがあります。完璧なライターなどおらず、先に述べた通り、修正してほしいと感じることは当然のことだからです。

 

ただしその際には、“具体的な指摘”が必須です。これがないと、やはり修正ループに陥ってしまう可能性が高いでしょう。ときどき、

 

「なんとなく●●なので、××な表現で」

 

など、イメージ的な修正依頼を頂くケースがあります。しかし、相手のイメージを100%こちらも共有することは、残念ながら出来ません。せめて

 

 

「××について深堀りしたいから、●●は抑えめに××をもう少し強く」

 

など言って頂ければ、恐らくイメージに近い修正ができるでしょう。この辺りは、お互いに寄り添って進めていくことが大切です。場合によっては、とにかく修正してほしい部分を全て抜き出し、その中で修正対応はライターに任せるという方法もあります。

 

当社の場合、誤解を恐れずに申し上げますと、ときに修正依頼に対して異論をとなえることもあります。それは、せっかく書いた原稿が、修正によってむしろ悪くなると感じる場合です。もちろん相手の立場に立ち、一方的に責めるわけではありません。

 

「この修正は●●だと思いますが、本当に良いですか?」

 

など、基本的には判断を相手に委ねるようにしています。

 

恐らく世の中におけるラィティング業務の多くにおいて、制作物の著作権は依頼元側が握ることとなるでしょう。ですからライター側にとって、納品物が最終的にどう修正されようと、口を挟むべきところではありません。そのため、依頼する側もまたその前提において、どうしても譲れない部分があれば、場合によって自社内で修正することも必要になるでしょう。

ただし未経験者などに依頼していない限り、相手はライティングにおいて自分より知識・スキルとも豊富である場合がほとんどです。修正によってむしろマイナスな影響が出る可能性についても、あらかじめ認識しておく必要があるでしょう。

 

  • 1文が長い
  • 同じ文末表現が繰り返されて読みづらい
  • 難関な用語が混じってしまう
  • 小見出し毎に内容がぶつ切りになっている(流れがない)
  • 本来必要なポイントが抜け落ちている(特に専門性の高い分野)

 

などは、未経験が書いた文章でよく陥りがちなことです。つまり修正する側がライターあるいは編集等のスキルを持ちあわせていない場合、同じようなことに陥る可能性があります。

 

次回は、また違った観点からこのテーマについて考えていきましょう。

 

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当社代表ブログ『葛飾から自由を届ける!起業家の挑戦記』より引用